北京市長劉淇のことば

    「知識に基づく経済」という言葉によって定義される21世紀が近づいています。21世紀の競争は、科学技術分野、有能な人材の確保における競争、知識に基づく経済の中で、眺望のきく高い位置を奪取することにおける競争となるでしょう。1999年6月、北京市人民政府と科学技術部により提起された「科学・教育による国家一新計画の履行を目的とした、中関村サイエンスパーク建設促進申請書」を国務院は正式に承認しました。中関村サイエンスパークの建設は、1980年代の深セン特別経済地区設立や、1990年代の浦東の開発・設立に次ぐ、我が国における世紀を跨る大規模開発計画の新たな一歩となりました。
    中関村地区は我が国随一の科学・教育機関や知識人の密集地区であり、他国においても方を並べる地域は希であります。地区内にある北京大学や清華大学に代表される独自の学科や業績を持つ68の高等教育機関で、総計30万の学生が学んでいます。同様に、中国科学院(Academia Sinica)をはじめ213の研究機関が所在し、中国科学院と中国工学院のメンバーの36%がこの地区に居住しています。毎年、数多くの高度な研究結果がここで発表され、中国全域に発せられています。この地区にはアジア最大の国立図書館も所在し、我が国最大のソフトウェア産業の基盤でもあります。このため中関村地区は、知識に基づく経済の発達を担う著しい有利性と大いなる可能性を持っています。
    中関村サイエンスパークは、海淀地区・豊台地区・昌平地区・北京経済技術開発地区と北京電子都市で構成されており、中心地区は約75平方km、発展区は約280平方kmとなる予定であります。この地区には、レジェンドやストーン・アンド・ファウンダーなど、5千以上のハイテク企業や、IBMやマイクロソフト、三菱などの有名多国籍企業の出資する研究機関や企業が千以上も軒を並べています。国家ならびに北京市人民政府は、援助提供を目的とした数々の政策の履行に努めてまいりました。このため、世界的基準から見ても第一級の、中国的特徴を備えたサイエンスパーク建設の重要な礎を築くことができたのであります。
    我々は中央党や国務院の指導の下、人民政府の資源を分かち、10年に及ぶ堅実な作業のもとに、自然環境に恵まれ、最高の施設を有し、(アクセスが容易で)交通至便である世界第一級のサイエンスパーク建設のため、奮闘努力しなければならないのです。

北京市人民政府市長
中関村サイエンスパーク建設リーダグループ・リーダ